第204話

厳重な地下研究施設に入る前には、誰もが携帯電話とスマートウォッチを施錠されたキャビネットに預けなければならなかった。エイラもそれをしまおうとした瞬間、画面にアルファのキリアンの名が光った。

キリアン:急きょ海外へ飛ぶことになった。帰国は未定。運転手は待機させておく。何かあればマイルズに連絡しろ。

簡潔で、要点だけ。それでも彼は、わざわざ自分で伝えてきたのだ。

別の技術者がセキュリティを通過するのを待つように、エイラは一歩脇へ退いた。

エイラ:了解。これから研究室に入る。

キリアン:よし。昼食は抜くな。

返事があまりに速くて、エイラは思わず笑ってしまった。

エイラ:約束はできない。...

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